立春が過ぎたとは言え、肌寒い日が続いていますが、久しぶりに青空が広がった2月26日、白山市美川地区に点在する「平成の名水百選」を訪ねました。白山市の「水」は、その豊かさと清らかさから、白山市のシンボルの一つとされていますが、実際に美川の各所に足を運んでみると、純な水が勢いよく湧き出しており、その思いを一層強くしました。晴れ渡った空の下、心も晴れるひとときとなりました。
「平成の名水百選」の一つ「お台場の水」。
西川・おかえりの会会長(写真)の案内で名水群を回った
美川の伏流水群は平成20年6月に、環境省から「平成の名水百選」に認定されており、主に海岸に近いところに、水が湧出しています。この日は、地元の観光ボランティアガイド団体「美川おかえりの会」の西川義正会長の案内で、湧水箇所を回りました。
初めに訪れたのは、「お台場の水」。ここは、これより海側に加賀藩が防衛上の目的で、砲台を設置したことにちなんで名づけられたそうで、水場には小屋が設けられていました。ふだんは水飲み場になるととともに、飲み物を冷やしたり、野菜などの洗い場にも利用されているとのことでした。小屋の壁には、「平成の名水百選」の認定書が掲げられていました。
「平成の名水百選」の認定書
なお、海辺の砲台跡には、「本吉御台場跡」の石碑が建てられていました。これは、歴史的な場所であることから、地元が白山市に要望し、昨年秋に石碑の設置が実現しました。今は、町歩きのスポットになっているとのことです。
加賀藩時代の砲台跡を示す「石碑」
さらに北側に少し行くと「大浜の水」がありました。ここは、水槽の上に数個のコップが置かれただけで、簡易なものでした。暑い時期、通行人らがのどを潤すのに利用しているのでしょうか。
「大浜の水」
さらに北の方に行くと、「やすまる銘水」というところに着きました。ここは、女性がこの水を飲めば、安産するとの言い伝えがあるそうで、「やすまる」は「安産」という意味だそうです。湧水個所が石組みされており、野趣に富んでいました。
「やすまる銘水」
ここからさらに北東側には、「蓮池の水」がありました。ここでは、たまたま男性がペットボトルに水を入れているところでした。話を聞いたところ、松任から来たそうで、ここの水はそのまま飲んだり、コーヒーなどに使っているとのことでした。「美川の水は不純物がない上、硬くなく、質が長持ちする」と、すっかり気にいっているようでした。
「蓮池の水」
おかえりの会の西川会長には、美川に生息する希少な魚類・「はりんこ」の生息地も案内していただきました。はりんこは、学名トミヨと呼ばれる魚で、巣を作ることで有名です。夏でも冷たい湧き水のある15度前後の清流にすむ冷水魚で、この希少魚の生息が、美川の水のきれいさを証明しています。
希少魚「はりんこ」の生息地
美川はこれまで、おかえり祭りや、北前船の寄港地の印象が強かったのですが、今回湧水群を訪ね、一気に「水の町」のイメージが胸に膨らみました。以前、富山県黒部市にある漁業の町「生地(いくぢ)」を訪れましたが、ここも黒部川沿岸部にあり、「名水の里」として、脚光を浴びているところ。そことも比較しながら、美川の名水群を回りました。
これから暖かくなったら、歴史的な街並みとともに、名水群は、美川の格好の散策スポットとなることでしょう。(堀田)






