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早春、美川の名水群を歩く ( 2009/02/27 )

 立春が過ぎたとは言え、肌寒い日が続いていますが、久しぶりに青空が広がった2月26日、白山市美川地区に点在する「平成の名水百選」を訪ねました。白山市の「水」は、その豊かさと清らかさから、白山市のシンボルの一つとされていますが、実際に美川の各所に足を運んでみると、純な水が勢いよく湧き出しており、その思いを一層強くしました。晴れ渡った空の下、心も晴れるひとときとなりました。

 

「平成の名水百選」の一つ「お台場の水」。

西川・おかえりの会会長(写真)の案内で名水群を回った

 

 美川の伏流水群は平成20年6月に、環境省から「平成の名水百選」に認定されており、主に海岸に近いところに、水が湧出しています。この日は、地元の観光ボランティアガイド団体「美川おかえりの会」の西川義正会長の案内で、湧水箇所を回りました。

 初めに訪れたのは、「お台場の水」。ここは、これより海側に加賀藩が防衛上の目的で、砲台を設置したことにちなんで名づけられたそうで、水場には小屋が設けられていました。ふだんは水飲み場になるととともに、飲み物を冷やしたり、野菜などの洗い場にも利用されているとのことでした。小屋の壁には、「平成の名水百選」の認定書が掲げられていました。

 

「平成の名水百選」の認定書

 

 なお、海辺の砲台跡には、「本吉御台場跡」の石碑が建てられていました。これは、歴史的な場所であることから、地元が白山市に要望し、昨年秋に石碑の設置が実現しました。今は、町歩きのスポットになっているとのことです。

 

 

加賀藩時代の砲台跡を示す「石碑」

 

 さらに北側に少し行くと「大浜の水」がありました。ここは、水槽の上に数個のコップが置かれただけで、簡易なものでした。暑い時期、通行人らがのどを潤すのに利用しているのでしょうか。

 

「大浜の水」

 

 さらに北の方に行くと、「やすまる銘水」というところに着きました。ここは、女性がこの水を飲めば、安産するとの言い伝えがあるそうで、「やすまる」は「安産」という意味だそうです。湧水個所が石組みされており、野趣に富んでいました。

 

「やすまる銘水」

 

 ここからさらに北東側には、「蓮池の水」がありました。ここでは、たまたま男性がペットボトルに水を入れているところでした。話を聞いたところ、松任から来たそうで、ここの水はそのまま飲んだり、コーヒーなどに使っているとのことでした。「美川の水は不純物がない上、硬くなく、質が長持ちする」と、すっかり気にいっているようでした。

 

「蓮池の水」

 

 おかえりの会の西川会長には、美川に生息する希少な魚類・「はりんこ」の生息地も案内していただきました。はりんこは、学名トミヨと呼ばれる魚で、巣を作ることで有名です。夏でも冷たい湧き水のある15度前後の清流にすむ冷水魚で、この希少魚の生息が、美川の水のきれいさを証明しています。

 

希少魚「はりんこ」の生息地

 

 美川はこれまで、おかえり祭りや、北前船の寄港地の印象が強かったのですが、今回湧水群を訪ね、一気に「水の町」のイメージが胸に膨らみました。以前、富山県黒部市にある漁業の町「生地(いくぢ)」を訪れましたが、ここも黒部川沿岸部にあり、「名水の里」として、脚光を浴びているところ。そことも比較しながら、美川の名水群を回りました。

 これから暖かくなったら、歴史的な街並みとともに、名水群は、美川の格好の散策スポットとなることでしょう。(堀田)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土の香漂う人形浄瑠璃に昔の暮らし偲ぶ ( 2009/02/19 )

 白山市尾口地区の山あい・東二口集落において、約350年の歴史をもつ人形浄瑠璃の上演が2月14日夜あり、鑑賞に訪れました。この人形浄瑠璃は「でくの舞」とも呼ばれ、国指定重要無形民俗文化財になっています。以前からこの伝統芸能は承知していましたが、生で見るのは、これが初めて。語り手と人形を操る舞い手による舞台は、土の香りのするもので、山村の昔日の暮らしに思いをいたさない訳にはいきませんでした。

 

素朴さ漂う人形浄瑠璃の舞台=東二口歴史民俗資料館

(ケータイで撮影したので画質が良くなく失礼します)

 

 この人形浄瑠璃は藩政期、東二口集落の若者たちが、京都や大阪へ出向き、当時流行していた人形浄瑠璃を習い覚え、村に持ち帰って広めたのが始まりとされています。

 この日、筆者が鑑賞したのは、近松門左衛門作の「出世景清」。遊女・阿古屋と主人公・景清を軸に、人間の悲劇を描いた物語が、太夫という語り手の口上によって、時に猛々しく、時に哀れを誘うように物悲しく、演じられました。文語体のため、理解しにくい面もありましたが、観客に配布された「あらすじ」によって、ストーリーをつかむことができました。と同時に、人形浄瑠璃が山深い村の農閑期の格好の娯楽だったということも、納得できました。

 上演後、主催者があいさつで、伝統芸能を継承する身として「お客さんが来る来ないにかかわらず、上演することになっているんです。でも演じ手も人の子。大勢来ていただくと、やりがいが出ますので、明日の舞台もぜひお越し下さい」と話されたのが印象的でした。

 おひねり歓迎ということだったので、筆者も多少を舞台に投じました。都会の大ホールでは望めない、そこはまさに芝居小屋でした。(堀田)

 

 

 

 

 

 

 

 

今年は「食」に熱く -白峰雪だるままつり- ( 2009/02/16 )

 白山市白峰地区の冬のイベント・白峰雪だるままつりに2月13日、行ってきました。北陸先端大の学生らに白山市の冬の風物に親しんでもらおうと、昨年に続いて実施したツアー。「明日忘れる豪華さよりも永遠に心に残る素朴さを」をテーマに今年で20回目を数えるこの祭りも、この日は、地球温暖化の影響か春一番が吹くなど、豪雪地帯とはほど遠い雰囲気に。それでも、大勢の観光客は、住民が苦心して作り上げた雪だるまを楽しむ一方、白峰独特の食を味わうなど、地域の魅力を堪能しました。

 

愛らしい表情を見せる雪だるまたち=白峰地内

 

 先端大の雪だるままつりツアーは、本地域再生マネージャー事業の一環として行ったもので、約40人の参加者のほとんどが留学生で占められました。

 

雪国伝統の防寒具を身にまとう雪だるま

 

 雪だるまは、このところの好天や降雨で、地元の人から「作るのにこんなに苦労したことがない」との声が聞かれるほど、悪戦苦闘の跡がうかがえました。雨で解けないように、上部にビニールシートをかぶせたり、半透明のポリ袋を掛けたりなどの対策が施されている雪だるまがあちこちにありました。

 

店頭に並んだ焼きいなり

体があったまったほんこ様汁(報恩講汁)

香ばしい岩魚の塩焼き

 

 折からの雨もあって、観光客の関心はいきおい、食に向かうようでもありました。白峰名物とも言える「焼きいなり」や「ほんこ様汁(報恩講汁)」「岩魚塩焼き」などの売店、飲食コーナーがあちこちに設置され、買い求める客で熱気があふれていました。焼きいなりなどは、市外でも販売されているようですが、やはりここで買って食べてこそ、本物の味が分かる、と実感したことでした。

 

憩いの場となった「雪だるまカフェ」

 

 雨宿りを兼ねて、「雪だるまカフェ」に立ち寄りました。古民家を改装して、観光客に開放しているこの施設では、ぼた餅やコーヒーなどを賞味しながら、一服しているグループの姿がありました。

 この雪だるまツアーに参加したアジアからの留学生に感想を聞いたところ、「ファンタスティック(素敵)」との返事が返ってきて、ほっとしました。(堀田)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千代女作品にキーボードの調べ ( 2009/02/10 )

 白山市のJR松任駅前の文化ゾーンに位置する「千代女の里俳句館」で2月7、8の両日、「雪見夜灯(よあかり)」と題したイベントが開かれ、訪れました。両日は日本庭園のライトアップがあったほか、加賀の千代女の作品を題材にしたキーボード演奏や雪見茶会、からくり人形実演、民踊などがあり、俳句館一帯は活気づきました。観光関連の施設(いわゆるハコモノ)が、有効に活用できていないところが多いと言われる中で、ここは様々な意欲的な取り組みをしており、そうした観点からも有意義な訪問となりました。

 

千代女の作品をイメージした曲を演奏するガートさん

                        =千代女の里俳句館

 

 筆者が引きつけられたのは、小松市大杉町在住のアメリカ人ミュージシャン・ガート・T・ウエスタハウトさんによる「加賀の千代の演奏」でした。これは、千代女の俳句作品に対して、ガートさんがこれにふさわしいメロディーを作曲してキーボードで奏でるもので、ミニコンサートでは、松任俳句協会の女性ボランティアが、千代女の作品を読み上げた後、ガートさんは、その俳句をのびやかな声で復唱しながら、オリジナルの旋律を響かせました。

 作品「福わらや 塵さへ今朝の うつくしき」では、春にふさわしく軽快なリズムを奏で、作品「冬枯れや ひとり牡丹の あたたまり」では、もの悲しいようなメロディーを響かせました。ガートさんは、作品一つひとつに、彼なりの解釈を行い、音色で、ここだけの千代女の世界を創り上げてみせました。

 参加者は、ガートさんと一緒に俳句のフレーズを口ずさんだり、時に手拍子したりしながら、文芸と音楽が融合する時間を楽しみました。

 

      施設運営を考える機会にも

 この俳句館は、加賀の千代女にちなんで、文献やAVなどで彼女の生涯や、俳句作品などを展示、紹介するところ。こうした施設は、利用者も限定され、ややもすれば静的で単調な施設になりがちですが、ここは、文芸を基軸にしながら様々な角度から活動を展開することにより、動的で多彩な空間にしています。

 

からくり人形の実演も人気を集めた

 

 同日はこのほか、金沢・大野からくり記念館による、からくり人形の実演もありましたが、人形が、お客にお茶を見事に運び終わると、観客から大きな拍手が起こりました。文化施設は、人々の活動を創造し、出会いや感動・感激を生む場。そんな思いを一層強くした、ひとときでした。(堀田)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬はやはり鍋料理と実感 -鶴来で山家鍋試食- ( 2009/02/06 )

 白山市鶴来観光協会主催の日帰り観光企画「鶴来・四季物語 山家鍋であったまろ」の試食会が2月2日、鶴来下東町のレッツホールで開かれ、出席しました。料理旅館5店が出品した鍋料理の具材には、熊、イノシシ、山菜、くずし豆腐などがふんだんに使われ、山里の雰囲気が満点。改めて、鶴来の冬の味覚の魅力を実感しました。

 

 

 鶴来自慢の山家鍋を味わう参加者=鶴来のレッツホール

 

 この観光企画は今年で4回目で、内容は2月上旬から3月上旬までの期間、参加者がNPO法人「加賀白山ようござった」の観光ガイドの案内で鶴来地内を散策した後、参加料理店で鍋料理をメーンにした昼食を味わうものです。筆者は過去に参加したことがありますが、雪で白くなった鶴来の宿場町を歩いた後に食した鍋料理は、身体が温まり、ことのほか、おいしく感じたことを覚えています。

 

和田屋の猪肉のぼたん鍋 

さわだ旅館の熊肉の山家鍋

 

花月荘の獅子くずし鍋

 

 この日の試食会には、観光協会や同NPO法人関係者ら約30人が出席、各料理店の代表から鍋の説明を受けた後、鍋を試食しました。いずれの鍋料理も食べごたえがあり、参加者は「5店全部の鍋を食べ切るのも大変」とうれしい悲鳴を上げながら、箸を進めていました。

 

 

 ニュー志良山荘の鴨の山家鍋

 

 山水苑の山菜の山家鍋

 参加する料理店と、申し込み先は次の通りです。

 参加店:和田屋、さわだ旅館、花月荘、ニュー志良山荘、山水苑

 申し込み先:「加賀白山ようござった」=電話076(273)5699へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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